実際に扱った事例のご紹介

債権回収、支払請求などに関する事例

夫の浮気相手との調停手続による交渉で慰謝料の支払いを受けた事例

<相談内容>
結婚して12年目になる50代の奥様が、夫が女性と8年間にわたり浮気をしていたのを知り、夫に対し、浮気相手の女性とは別れ、もし再び浮気が発覚したら高額な慰謝料を払うことを約束する合意書を作成させました。ところが、その半年後に再び同じ女性との交際が続いていることが発覚し、奥様は夫に、女性とは別れ今後は会わないこと、再び浮気が発覚したら訴えられても異議はない旨の誓約書と、浮気相手の女性にも夫とは別れ、約束違反の場合は訴えられても異議はない旨の誓約書を作成させました。けれども、それから4カ月後に夫の携帯電話に女性から電話がかかってきたのを知った奥様は、夫の女性との交際の継続を疑って追及したところ、夫が合意書や誓約書を作成した直後に、夫が女性に対して、奥様とは別れることを約束する誓約書2通を作成して渡していたことが発覚し、激怒した奥様が相談に来られました。

<対応内容>
奥様の代理人として夫と浮気相手の女性に対し慰謝料の支払いを求める内容証明郵便を送ったところ、女性の代理人弁護士から、夫側から妻とは別れるので一緒になろうと積極的に持ちかけられて交際していたもので、女性に法的責任はないが、話し合いの機会を設けたいとの申し入れがありました。そこで、双方代理人弁護士間で協議をしましたが、女性から少額の和解金の支払いの申し出はあったものの、奥様は女性が明確に謝罪して誠意を見せなければ許さないと主張して話し合いはまとまらず、なお第三者を交えた協議の場を持つために、裁判所に民事調停の申し立てをしました。調停手続の場でも感情を高ぶらせていた奥様でしたが、調停委員との対話を重ね、手続を重ねるにつれて落ち着きを取り戻され、女性が謝罪の意向を表明して夫との連絡を一切断つことを約束し、夫が女性に渡していた奥様と別れることを約束した2通の誓約書原本を調停の場で破棄することで、女性の申し出た金額の慰謝料の支払いを受けることで調停を成立させました。

<弁護士からのアドバイス>
最近は浮気相手を訴えたい、あるいは浮気をしていて訴えられたという相談が増えていますが、裁判沙汰にして全面的に争うと、原則公開の法廷で証拠に基づいて長期間にわたり議論を戦わせることになります。この事案は浮気相手の側から、少額ながら金銭支払いの申し出とともに協議による解決の申し入れがあって、話し合いでの解決の機運を持てたことから調停申立後半年での早期解決に至ったもので、非公開の調停手続での解決を図ることも、事案によっては賢明な選択と考えられます。

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