実際に扱った事例のご紹介

債権回収、支払請求などに関する事例

個人的に貸した金銭の返還請求訴訟提起で相手からの一括返済を受けられた事例

<相談内容>
相談に来られた男性は、個人で事業をしている知人から、事業資金のつなぎとして金を貸して欲しい、半年後には公的助成金や補助金の支給を受けられるのでその資金から返済する、と頼まれ、老後の生活資金などに備えて貯金していた中から合計500万円を貸し、相手の知人には半年後に返済することを約束する借用書を書いてもらいました。ところが、それから5か月ほど後に助成金や補助金の受給が遅れそうなので、追加で200万円ほど貸してほしい、との依頼が来ました。知人から追加の貸付をせがまれた男性は、本当に貸した金を返してもらえるのか不安になり、相談に来られました。

<対応内容>
相談者が貸した金を直ちに返せと要求することができるのは、知人が借用書で約束した返済期限を過ぎてからなので、すぐには返せとは言えません。そこで、貸主の代理人として、借用書で約束した通り期限までにきちんと返済するように通知するとともに、返済を怠った場合は裁判をすることになるとの警告をしました。これに対し、借主からは、返済期限までには返せないが、追って返済計画を立てて連絡するとの応答がありましたが、一向に返済計画が示されることはなく、貸主の代理人として改めて返済を催促しましたが、10万円が送金されたのみで残金をいつまでに返済するとの明確な回答は得られませんでした。貸主の男性はこれ以上待つことはできないとの判断をされたため、知人を相手に貸金の残金の返済を求める訴えを起こしたところ、訴状が送達された直後に借主から連絡があり、知人の男性からそこまでされるとは思わなかった、迷惑をかけた、として、残金の一括返済をしてきました。

<弁護士からのアドバイス>
相談者の男性は、弁護士に相談することなく借主から借用書を受け取っており、この借用書の存在は貸金の回収のために重要な意味を持ちました。とにかく借金をした事実を明確にするために一筆書かせるという判断をされ、最終的に貸金は全額回収できたので良かったと思います。少し手間と費用がかかるものの、借主とともに公証役場へ行って公正証書を作ることができていれば、公正証書の作り方によっては裁判を始めることなく直ちに強制執行を始めることもできていたでしょう。

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