実際に扱った事例のご紹介

契約書の作成や検討に関する事例

契約書を読まずに締結した失敗事例

<相談内容>
E社はF社との間でE社のWebサイトの作成とともに、一定の条件を満たした場合にF社に対して継続的に報酬を支払う内容の契約を締結しました。ところが、報酬を支払うべき条件を満たしているか否かをめぐってE社とF社の見解が対立し、F社との取引を止めるために契約の解除はできないかとE社の社長が相談に来られました。

<対応内容>
F社の主張は、契約で定めた「2つの条件のいずれか」が満たされればE社には報酬の支払い義務があるというものでしたが、E社の社長は「2つの条件のいずれも」満たされなければ報酬の支払い義務はないはずで、そのような契約内容にすることをF社に口頭で依頼していた」とのことでした。E社の社長は、自分が理解していたような取引条件が契約書に書かれていることを確かめずに契約書に捺印をしていましたが、実際に締結された契約書の内容を検討した結果、E社の主張通りの取引条件は書かれておらず、F社の主張を裏付ける条件での取引内容となっていました。E社はF社との取引は解消することで合意できたものの、結局F社の請求には応じるしかありませんでした。

<弁護士からのアドバイス>
契約書を作る場合でも、その記載内容をきちんと吟味せず、取引相手任せにしていては意味がありません。実はこのようなトラブルはよくある話で、「こんな契約書なんか、普通、読まないですよ。」とおっしゃる社長さんが案外いらっしゃいます。でも、契約書に捺印してしまうと、それで法律上は契約書の内容を確認した上で契約書面に書かれた条件での取引に同意したことになるのです。後になって「契約書を読んでいなかったから、そんなことが書かれているとは知らなかった。」という理屈は通用しません。

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